2012年6月8日金曜日

失礼ですが、「スカイライダー」って間違いなく駄作ではないでしょうか?

失礼ですが、「スカイライダー」って間違いなく駄作ではないでしょうか?

スカイライダー、そのまま訳すと「空を飛ぶ、バイクを運転する騎手」といった意味合いになりますが、仮面ライダーというヒーローには皆、専用のマシンという立派な移動手段があるのに、空を飛べちゃったらバイクの役目がなくなり不要になってしまいますよね。(誰だっていつでも気軽に飛行機を利用できるなら、車や電車なんて使いませんから、それと同じような事です。)それにスカイライダーが戦う怪人が、毎回同じく空を飛べる相手とは限らないから、空中戦なども描きにくいですよね。そういったところに製作陣がもっと早く気付くべきでした。という訳で、ストーリーに上手く絡ませにくいからセイリングジャンプは14話からは最終回を除き、全く使われなくなりました。しかしだからと言って、ではどうして本作のヒーローが「スカイライダー」と呼ばれるのか、訳が分かりませんね。全54話なのに空を飛ぶ描写があったのはわずか14話分だけ。そしてさらには本作の特徴である、歴代ライダーのゲスト出演話数の多さですが、視聴率回復のためになされた手段でした。子供にはとても嬉しい事項ですが、高年齢層のファンにはそれでは主役のスカイライダーが目立たなくなってしまうなどと、よく批判の対象になってしまうんですよね。34話なんて、主人公であるはずのスカイライダーが登場せずV3だけの登場となっていて、一体どっちが主演(メイン)でどっちが客演(ゲスト)なんだか(笑)。これではいくらなんでも、確かに「スカイライダー」は失敗作と言われても仕方ないでしょうね。







スカイ以前に飛行能力を有しているが、バイクを所有しているのは「人造人間キカイダー」で見られます。

当時は確かに「飛べるのならバイクいらないのに」と思ってもいましたが、他にもゴレンジャーやあのウルトラマン達も「飛べるのに乗り物を使用している」ヒーローです。

また「セイリングジャンプ」は諸説ありますが、滑空飛行とされており、鉄腕アトムの様な街中でもブンブン飛べる訳では無さそうで、ある程度の条件や制限はありそうです。

実際の制作でも、設定したは良いが使い勝手が判らず持て余していたのは事実ですし、オープニングの合成だけでもかなりな金額だったそうです。昨今のCG全盛ならば充分に魅力は発揮出来たのではないかと思われます。



「スカイライダー」のネーミングに関してですが、「飛べなく」なったのではなく「飛ばなくなった」のですから、名前を返上する必要は皆無でしょう。

実際はパワーアップ後「セイリングジャンプすればいいじゃん」と思えるピンチシーンは散見しますが、ヒーローに万能性を求めるのはまた番組自体に醍醐味が逆に半減する事も多々あり、前記の設定からすれば「いつでも飛べる訳でもない」と言い訳は出来そうです。

また「力の2号」の異名をとる仮面ライダー2号ですが、設定では彼よりも力の強いライダーは大勢います。ですが異名剥奪ともなっていません。「太陽にほえろ!」の「テキサス」は、初期以外はテンガロンハットを被っていませんが、殉職するまで「テキサス」でした。

小学生の時に「おねしょマン」とあだ名が付けられると、その子は40歳過ぎても「おねしょマン」と呼ばれたりもします。もうおねしょしていないのに…

他にも初期は衣装にチェック柄が必ず付いていた「チェッカーズ」は最終的にチェック柄が付いていた時期の方が短かったりもします。

一度付いたネーミングは「商標」の都合を考慮しなくても中々変わらない物です。

ゲスト出演の件は、逆に「栄光の7人ライダー」現体験世代が喜んだという事実もありますので、一概に高年齢層に不評とはなりません。

実際にこれによって視聴率が回復し、打ち切り案が廃されています。

「効果は絶大だが主人公の影が薄くなる」という、実際の特効薬の様な、絶大な効果と強烈な副作用を有する策ですので「延命」を最優先させた結果でしょう。結果的に1年間放送完走させた訳ですので「あれなくして」でもあるでしょう。

最近では「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」も前作キャラの多用で主人公のシンアスカが埋没しまくっています。

「失敗作」とはよくいわれますが、平均視聴率が13%強で、「ウルトラマン80」よりも上回っており(あちらもテコ入れバシバシですが)、1年間放送されて次回作「仮面ライダースーパー1」に繋げていますので、「仮面ライダー」の信頼性を失墜させたとも思えませんし、実際にスカイよりもテコ入れバシバシだった「仮面ライダーX」は「栄光の7人ライダー」の加護下のせいか、あまり酷評されて老いません。こちらも調べてみると結構凄かったりします。



スカイの衣装自体が完成され過ぎており「面白みに欠ける」という意見も造型マニアにはあったりします。

確かにストロンガーまでと比べ、クオリティは絶大に上がっており、それが逆に「味」が無かったりしており、妙な言い方ですが「優等生」っぽく、ライダー造型マニアは「不良っぽい」を求めているのに…という意見が結構あります。昨今のライダーファンには理解し難いでしょうが…

愛車のスカイターボも同様で、シャープでしっかりまとまったデザイン的にはかなりな完成度ですが、スカイの衣装同様に「面白み」に欠けてもいます。

妙に「ケレン味」を好む初期ライダーファンにはスカイライダーは「優等生」過ぎて面白みに欠け、次回作スーパー1はクオリティそのままに妙にライダーファンをくすぐる「何か」が匂います。








名前のついての論法でいくと、Xライダーやアマゾンライダーもえらい意味になってしまいます。単純に空を飛べる仮面ライダー、スカイライダーでいいと思います。歌詞にも、スカイライダーの文字が出てくるので、呼称に問題はありません。



話と絡めにくいのは、当時の技術の限界ですね。縦横無尽に飛び回れればいいのですすが、グライダーの様に滑空するだけじゃ、あまり画にはなりません。ディケイド完結編でようやく当初の構想やSPIITSのようなイメージが映像化されたくらいですから。無理してまで使う必然性がなくなってしまったようですが、最終回でその存在価値を発揮しましたから、ギリギリ良しとしていいでしょう。



先輩ライダーについては、テコ入れ上仕方がなかったと思います。打ち切りになればそこでスカイライダーが終わる可能性もありましたし、実際2クールが終了後V9というライダーが出る構想もあったようですが、共演がうまくいき視聴率が回復、劇場版まで作られました。その副作用がスカイライダーの影が薄くなることにつながってはいますが、商業上は成功したわけです。仮面ライダーは子供に向けて作られているわけですから、子供に見放されてはいけない訳です。ただ、主役の村上弘明さんが言っている「仮面ライダーは好きだけれど、スカイライダーと言う企画が好きになれなかった」と言うのは仕方ないでしょう。彼は必死に仮面ライダーを演じようとしていましたが、彼は当時新人、ポコポコ先代の役者が出てきてしまうと霞むのはあたり前ですからね。そこから学んで作られたのが、唯一無二のライダー、スーパー1です。



失敗作と言うのは、好きな人がいるのでやめた方がいいと思います。失敗なのは、安易な共演を連発した製作者の姿勢でしょう。それに、スカイライダーがないとその反省で作られたスーパー1の存在を否定することになります。







私は駄作とは思いませんが、そう思われるのもまた一つの意見でしょうから否定はしませんが、そもそも本家というか初代である「仮面ライダー」自身、思考錯誤で紆余曲折を経てヒットした作品だという前提は忘れないで欲しいですね。



「仮面ライダー」は、初期の重厚なストーリーがターゲットである子供に受け入れられず、しかも主役の藤岡さんの怪我によって危機的状況を迎え、本来ならそのまま消えていてもおかしくない事態を、スタッフや代役として主役を演じた佐々木さんの努力で盛り返し成功した、完璧とはほど遠い状況で作られた作品ですが、果たして「仮面ライダー」は駄作でしょうか?



確かに「スカイライダー」は試行錯誤や失敗をしたかも知れませんが、その部分だけを取り上げて「駄作」と決めつける程、私は完璧な作品を見た事がありませんし、そんな作品が名作や傑作とも思いません。



今のようなあまり視聴率に左右されにくい状況と違い、当時はそれこそ制作に厳しい中で、一度終了した「仮面ライダー」シリーズを復活させた功績や、歴代ライダーとの共演とライダーの本来のバイクアクションも復活させた、スカイライダーの功績は大きいと思います。



何気に歴代2番目の放送回数も含めて、少なくとも不人気ではないと思いますし、個人的にはこの作品のお陰で今のライダーシリーズが継続されるようになった事を思えば、私のような昭和も平成も好きなライダーオタクには有り難い存在です。







元々スカイライダーは初代仮面ライダーの原点回帰という意味合いが強く、あの暗いとも言えるマスクの色合いが特徴です

そのため、特に1話や4話など初期には改造人間の悲哀を描いた名作や怪奇性の強さが特徴でしたが、色々と地味で子供への受けが悪かったのも事実であり、そこにテコ入れを加えました。



空を飛ぶことへの批判ですが、あれは話に絡めにくかったのではなく、パワーアップしてマスクが明るくなり、今まで使っていたバンクフィルムが使えなくなったためです。今の様に撮影技術やCGが発達していたのなら、マスクが変わってもセイリングジャンプは使っていたでしょう。



先輩ライダーのゲスト出演も、前記の地味さへのテコ入れです。宮内さんが出れば、番組内での存在感を食ってしまうでしょう。



確かに、スカイライダーは全体を通せば成功とは言い難いけれど、要所で光るものはあるので、意味のある失敗作として単純に切り捨てるのもどうかと

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